一人暮らしの部屋選びに最適なサイズは？広さの目安と選び方をご紹介

一人暮らしで必要とされる部屋全体の広さの目安

国土交通省が定める「住生活基本計画」によりますと、単身者が健康で文化的な暮らしを営むために求められる最低限の居住面積（最低居住面積水準）は、全体で25平米とされています。この面積には玄関、居室、台所、水回り、収納スペースを含みますが、ベランダやロフト収納は含まれません。25平米は畳換算で約15畳に相当し、居室部分は6～8畳程度を確保できる広さが望ましい目安です 。

快適さを重視したゆとりある住まいでは、誘導居住面積水準として40平米をひとつの目安にすることが推奨されています。畳に換算すると約25畳に相当し、居住空間に余裕があることで、家具配置や動線の確保、趣味や作業スペースの確保にも十分対応できる広さになります 。

なお、これらの数値は専有面積を指し、居室のほかにキッチンや水回り、収納を含んだ面積であることを忘れてはいけません。そのため、25平米という数字は、単なる居室の広さではなく、生活全体を支えるエリアの合計であることをご理解ください 。

実際に一人暮らし向けとして多い広さと間取りの傾向

一人暮らし向けの賃貸物件では、専有面積がおおむね20～25平方メートル前後となるワンルームや1Kが特に多く選ばれています。たとえば、東京都23区の物件を対象にした調査では、25平方メートル以上30平方メートル以下が最も多く、次いで20平方メートル以上25平方メートル未満、15平方メートル以上20平方メートル未満という順でした。つまり、25平方メートル前後が一人暮らし用としてもっとも一般的な広さといえます。間取りとしては、1Kが6割以上を占め、ワンルームが続き、1DKが少数という構成です。

専有面積の畳数換算では、1畳を1.62平方メートルとすると、25平方メートルは約15.4畳になります。しかし、専有面積にはキッチンや浴室、収納なども含まれるため、実際の居室スペースは6〜8畳（約10〜13平方メートル）となることが一般的です。たとえば20平方メートルの物件では、居室スペースは6.2～8畳前後とされ、小さいながらも暮らすには必要十分な広さと言えるでしょう。

ワンルーム（1R）と1Kの間取りの違いとしては、ワンルームは居室とキッチンの仕切りがない一体型の構造で、専有面積が同じでも居住空間が広く感じられる場合があります。一方、1Kは居室とキッチンが扉で仕切られており、居住空間をプライベートに保ちやすい点が特長です。専有面積20～25平方メートルであれば、6～8畳程度の居室が確保しやすく、家具の配置にも工夫ができます。

以下に、一人暮らし向けの広さと間取りの傾向をお伝えします。

広さの目安を選ぶ際のライフスタイル別ポイント

一人暮らしの住まいを選ぶ際は、ライフスタイルに合わせた広さの目安を意識することが大切です。自炊や在宅での作業が多い方は、ゆとりある25平米以上の住まいを選ぶと、調理スペースやデスクの配置に余裕が生まれ安心感が高まります。実際、キッチンまわりが快適になる広さとして、居室6畳に加えて20〜25平米前後の住まいが多く推奨されています。また、荷物が少なくミニマルな暮らしを望む学生などは、20平米前後でも工夫次第で十分に快適に暮らせます。例えば、壁面収納やベッド下収納を活用することで空間に広がりが生まれますし、背の低い家具の配置によって圧迫感を抑えつつ、使いやすい空間を確保できます。

加えて、部屋の形状やコンセント位置も快適さに影響します。変形間取りは家具配置が難しい場合があり、正方形や長方形の部屋を選ぶほうが家具配置しやすいです。さらに、家具配置をイメージする際には、ドアや窓、コンセントの位置を確認することで、生活動線や家具のレイアウトにゆとりが持てるようになります。こうした点に注意すれば、限られた広さの中でも快適な一人暮らし空間をつくることができるでしょう。

内見時に広さのイメージをつかむためのチェック事項

内見では、単なる平米数や畳数だけでなく、実際の使い勝手や暮らしやすさを実感することが重要です。まず、専有面積だけで判断せず、居室の形や広がり、動線の取りやすさを確認しましょう。間取り図では把握しづらい柱や梁、凹凸の有無など、実際に部屋に立って確認することで暮らしやすさの実感が得られます。

次に、家具や家電を実際に配置するイメージを内見時に持つことをおすすめします。お手持ちの家具やサイズを事前に計測しておくと、内見時にはメジャーで入口の幅や部屋の奥行きを測ることで、実際に問題なく搬入できるか、生活動線を確保できるかが判断しやすくなります。

さらに、ロフトや収納設備の有無も忘れずチェックしましょう。たとえば、ロフト付きの部屋であれば、ベッドや収納スペースに使える高さや階段の幅、脱衣スペースとの使い分けなどの活用イメージを思い描いておくと、入居後の満足度が高まります。

まとめ

一人暮らしを始めるにあたって、部屋の広さは「快適さ」と「生活のしやすさ」に直結する重要なポイントです。国が定める25平米という基準は最低限の目安であり、余裕を持った暮らしを求める方には40平米ほどの広さも選択肢となります。部屋選びでは、間取りや実際の使い勝手、自分のライフスタイルに合った広さかどうかをじっくり考えることが大切です。内見の際は、居室面積だけを見ず、家具の配置や収納スペースの確認、部屋全体のバランスを意識しましょう。理想の住まいづくりの第一歩は、自分に本当に合う広さを見極めることから始まります。初めての一人暮らしを安心してスタートできるよう、丁寧に選びましょう。