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ワンルームマンション投資の収益性は?利回り比較とリスクも解説

ワンルームマンション投資で収益性を重視したいと考える方は多いのではないでしょうか。しかし、「どのような指標で収益性を比較すれば良いのか」「エリアや築年数の違いで利回りはどれほど変わるのか」など、判断すべきポイントは実に多岐にわたります。この記事では、単身者向けマンション投資における収益性の基本指標や、地域や築年数ごとの利回りの特徴、リスク管理の考え方、さらに長期視点での出口戦略まで、分かりやすく丁寧に解説します。

収益性を知るための基本指標とその違い(表面利回り・実質利回りなど)

ワンルームマンション投資の収益性を判断する際、まず理解すべき指標に「表面利回り」と「実質利回り」があります。表面利回りは、物件価格に対する年間家賃収入の割合を示す指標で、計算式は以下の通りです。
表面利回り(%)=(年間家賃収入 ÷ 購入価格)×100
たとえば、購入価格が2,000万円で年間の家賃収入が100万円の場合、表面利回りは5%になります 。この指標は広告などでよく使われ、投資候補を絞り込む目安に有効です 。

一方、実質利回りは取得時の費用や保有中にかかる運営費を含めた、より現実的な収益性を示します。その計算式は以下のとおりです。
実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間諸経費) ÷(物件購入価格+購入時諸費用)×100 。たとえば、購入価格2,000万円・年間家賃収入100万円・年間諸経費15万円・購入時の諸費用150万円の場合、実質利回りは約3.95%になります 。

さらに「想定利回り」という指標もあり、これは現在空室の物件について満室で運用できた場合の家賃収入をもとに計算します。計算式は表面利回りと同様で、あくまで将来の仮定に基づく指標です 。

下表に各利回りの違いを整理しましたので、投資の判断材料としてご活用ください。

指標計算に含まれる要素特徴・活用法
表面利回り 年間家賃収入・購入価格のみ 広告に使われやすく、投資対象の大まかな収益力を比較する際に有効
実質利回り 家賃収入・年間運営費・購入時費用・購入価格 実際の収益性が分かり、投資判断の最終段階において重要
想定利回り 満室時の家賃収入・購入価格 理想的な収益性を示すが、現実の運用との乖離に注意が必要

利回りの傾向と地域・築年数による収益性の差

ワンルームマンションの収益性は「築年数」と「エリア」によって大きく異なります。以下の表で主要ポイントを整理します。

要素首都圏(築年数別)地方・郊外
築浅(10年未満)表面利回りは約4~5%(例:首都圏・築10年未満、2024年は約4.01%)全国平均では約4.3%、東北や信州・北陸では5~6%台のこともあり、地方ほど利回り高め
築20年以上表面利回りは6~8%台(首都圏では6.84%など)地方では10%超の利回りも見られるが、空室や価格下落リスクも上昇
都心部(東京都心)物件価格が高いため利回りは低めだが、空室リスクは低く安定的対象外
地方・郊外エリア対象外価格が安いため利回り高め。賃貸需要・空室リスクも高く、家賃下落の可能性あり

まず築年数による傾向ですが、築浅物件は表面利回りが概ね4~5%ほど。たとえば首都圏の築10年未満では2024年に4.01%が目安とされます。築20年以上になると、6〜8%台まで利回りが上昇する例が多く見られます。この背景には、築古物件の価格低下に対し家賃下落が緩やかなことが影響しています(首都圏・築20年以上で約6.84%)。

またエリアによる違いも重要です。全国的にみると地方ほど表面利回りが高い傾向があり、信州・北陸などでは築10年未満でも6%台の利回りが報告されています。一方、都心部は物件価格が高いため利回りは低めですが、入居率が高く空室リスクが少ないという安定性を備えています。

地方や郊外の高利回り物件には、当然ながら空室や賃料下落、資産価値の下落リスクも伴います。反対に都心部では利回りは低くなりがちですが、人口増加により安定した賃貸需要が維持されやすい点が収益性を支えています。

まとめると、利回り重視なら築古・地方物件、安定性重視なら築浅・都心物件が選択肢となりますが、収益性を判断する際には単なる利回りだけでなく、空室リスクや管理状況、資産価値の変動リスクも併せて総合的検討が不可欠です。

収益性を左右する主な要因とリスク管理

収益性を左右する主な要因には、空室リスク、金利上昇リスク、家賃滞納リスク、さらに節税効果をもたらす減価償却やローン利息の使い方があります。

まず、空室リスクはワンルームマンション投資において最も影響が大きい要素です。一室のみのため、入居者が退去すれば収入がゼロになる期間が生じます。サブリースの家賃保証制度もありますが、保証額が将来的に減額されたり停止されたりする可能性があり、過信は禁物です 。

また、金利上昇リスクはローン返済額を増加させ、収支を圧迫します。さらに、家賃滞納リスクも見逃せません。管理体制が不十分であると、滞納期間が長引くことでキャッシュフローが悪化し、現金収支に影響します 。

一方で、減価償却やローン利息を適切に経費計上すれば、節税によって収益性が安定する場合もあります。建物部分の減価償却は非現金支出として所得を圧縮し、節税効果をもたらします。しかしこの効果は一時的であり、耐用年数が尽きれば経費計上できなくなるため注意が必要です。また、売却時には減価償却累計額によって譲渡所得が増え、税負担が大きくなるリスクもあります 。

以下に、主な要因とリスク・節税効果をまとめた表をご紹介します。

要因・リスク 収益性への影響 対応策・注意点
空室リスク 収入途絶の可能性 需要の高い立地選定・管理強化
金利・家賃滞納リスク 返済負担増・収支悪化 ローン期間・金利見直し・賃貸保証検討
減価償却・諸経費による節税 所得税・住民税の圧縮、一時的な収支改善 耐用年数の理解・将来の税負担への備え

長期視点で見る投資収益性と出口戦略

長期保有によってローンの返済を終えると、家賃収入がほぼそのまま投資家の利益となり、収益性が大きく改善します。特に返済後のキャッシュフローを見直すことで、実質的な収益性を定期的に評価することが重要です。保有期間中に減価償却を活用して節税し、返済後の収益性を高める手法もあります。

不動産の売却時にはキャピタルゲイン(譲渡益)が発生しますが、日本では所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」に該当すると税率は20.315%となります。一方で5年以下の「短期譲渡所得」の場合は税率が39.63%となり、早期売却は税負担が重くなる点に留意が必要です。譲渡所得は、売却価格から取得費および譲渡費用を差し引いて算出されます。

さらに、資産の入れ替え(リバランス)を通じて、より収益性の高い物件へ投資対象を変更する戦略も有効です。出口戦略として中長期的に見て有利な売却タイミングや税負担を考慮しながら、新たな物件への乗り換えを検討すると良いでしょう。

項目内容ポイント
長期保有後の収益ローン返済後に家賃収入が利益に直結安定したインカムゲインの確保
キャピタルゲイン課税5年超保有で20.315%、5年以下で39.63%長期譲渡が税負担軽減に有利
資産入れ替え戦略収益性の高い物件への投資転換リスクと税金を考慮した戦略構築

まとめ

ワンルームマンション投資の収益性については、表面利回りや実質利回りを正しく理解し、購入諸費用や運用コストも加味した分析が不可欠です。物件の立地や築年数による収益性の違いを知り、空室リスクや金利変動、節税効果など幅広い観点から判断することが重要です。また、長期間の運用や出口戦略も見据えた上で比較検討すると、より納得のいく投資が実現しやすくなります。不明点はお気軽にお問い合わせください。

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