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3.不動産投資のリスク

いくら「ローリスク」とは言っても、
不動産投資も「投資」であることには変わりません。
リスクを充分に理解した上で将来に備えることが必要です。

【1.流動性の低さを認識する】
不動産は文字通り、動かすことができない資産ですから、
他の金融資産などと比べると流動性が低い商品です。
急にお金が必要になった時に換金したくても、
預貯金や株券のように今日・明日にもということができません。
早くても数週間から1ヶ月、通常は現金化するまで数ヶ月は要します。
また、売り急ぐと売却価格も低くせざるをえなくなりますので、
不動産投資は、あくまでも「余裕」資金で始めるスタンスが必要です。

【2.当面の課題 金利上昇リスク】
前項のメリットで上げた「超低金利の恩恵」は、
中・長期的にみると「諸刃の剣」ということができます。
すでに金利上昇の気配はありますが、
せっかく低利で調達した資金を元に資産を手にしても、
金利が上がって利払いが多くなれば、運用利回りは相対的に低下します。
金利水準が「底値」に近い現在、
将来的にある程度上昇することを見込んで運用計画を
シミュレーションしてみることも必要です。

【3.売却価格低迷のリスク】
不動産投資の現在の考え方のベースは、
あくまでも将来的にインカムゲイン(収益) が
どれくらい見込めるかという点にありますが、
バブル崩壊後一環して値を下げてきた不動産価格も、
都心部では上昇に転じてきています。
この点に注目してキャピタルゲイン(売却益)を狙ってみる
という考え方も間違ってはいませんが、
予想に反して下落するリスクもある点は承知しておかなければなりません。

景気が回復すればまた昔のように不動産価格が上がるだろうと
思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
「少子高齢化」で借り手(需要)の先細りがはっきりしていて、
不良債権処理が進んでいけば供給が加速されます。
需要と供給のバランスからいってバブル期のように不動産価格が
急上昇することはありえないといっていいでしょう。
ただし、立地や条件によってはキャピタルゲインが見込める所もあれば、
リスクの高い所もあります。
将来的に売却するときのことを考えて値下がり
リスクの少ない立地や条件を選ぶようにしましょう。

【4.稼働率のリスク】
すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件や、
人口密集度の高い人気エリアのワンルームなどを購入する場合は
あまり問題になりませんが、
駅から遠いとか、地方都市で人口が少ない地域のアパートを購入する場合や
供給過剰感の高い都心部のオフィスビルを購入する場合など、
「空き室」が発生するリスクをあらかじめ想定して、
対策を考えておく必要があります。
アパートなら自分で入居者を探す工夫をするとか、
マンションの一棟買いならサブリース(一括借り上げ方式)を利用するなど、
購入前に腹づもりはしておいたほうがいいでしょう。

【5.老朽化と損壊のリスク】
同様に、区分所有のマンションの場合は
よほど古い物件でない限り大規模な修繕のリスクは、
管理組合や管理会社がしっかりしていればある程度予測もできますし、
リスクも回避できます。
一方、表面利回りが一般的に高い中古のアパートや
一棟買いのマンションなどの場合、
雨漏りや給排水設備の故障などの入居者からのクレームは
最終的に「大家さん」であるあなたのところにきます。
クレームがきてから慌てるのではなく、
あらかじめリフォームや修繕を依頼する業者を決めておいたほうがいいでしょう。

【6.地震・火災・天変地異・不測の事態】
不動産が「物」であるかぎり、盗まれる心配はありませんが、
壊れたりなくなってしまうリスクは常にあります。
最近起きた中越地震の例をみるまでもなく、
日本は「地震」の多い国です。
また、今年は特に台風による土砂災害も多かったようです。
こうした天変地異から逃れるすべは、ありませんが、
被害を最小限にとどめ、リスクを減少させることはできます。

まず第一に考えられるのは保険に入ることですが、
通常ローンを組むときに加入するのは火災保険だけです。
では地震保険に入ればいいのかというと、
地震保険はなかなか高額なのでメリットが少ないこともあります。
検討対象がきまった段階で、地盤や地震に強い地域が
どうか調べておくのもいいでしょう。
また、建物の構造が地震に強いどうかも知っておくと
リスクが回避しやすくなります。

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